内容紹介
松本昭遺稿 「お水取り」を巡る歴史 新刊
「お水取り」(修二会)とはそもそも何が目的だったのか? 聖武帝の治世に焦点を絞り丹念に歴史を辿る、松本昭の遺稿。
目次
巻頭に寄せて 松本 淳
第一話 水取りや 氷の僧の 沓の音
第二話 美しき観音との出会いの道
第三話 「お水取り」を創始した美貌の若僧・実忠
第四話 災異の時代に苦闘する聖武帝
第五話 天子が不徳ゆえ五穀は実らず
第六話 徳行をどれほど積めども厄災は収まらず
第七話 大宰府に迫りくる新たな魔手
第八話 死が覆いつくす奈良の都
第九話 聖武帝を追い詰める禅譲革命への恐れ
第十話 国分二寺の創建
第十一話 権力の権化と化す聖武帝
第十二話 最高の仏陀、廬舎那仏の建立
第十三話 山火事に地震、繰り返される遷都
第十四話 十一面観音の功徳と光明皇后
第十五話 若狭と二月堂を結ぶ十一面観音とダッタンの火
〈付記〉 鑑真大和上の行実と戒律
あとがきにかえて 松本 美代子
内容説明
日本のミイラ(即身仏)研究の第一人者としても知られる松本昭の遺稿。
旧暦2月東大寺二月堂で毎年催される「お水取り」(修二会)。1200年という途方もない歳月を超えて、ただの一度も欠かさず継続されてきた。そもそも何が目的だったのか? 聖武帝の治世に焦点を絞り丹念に歴史を辿る一冊。
著者:松本 昭(マツモト アキラ)
日本のミイラ(即身仏)研究の第一人者。死穢(しえ)が、即身仏となって聖なる存在と化し、人々を救うという、世界でも類をみない思想に魅せられ、半世紀にわたり即身仏の発掘と研究で中心的な役割をはたす。その業績は海外でも高く評価される。
1925年、神奈川県生まれ。早稲田大学文学部卒。同大学院特別研究生を経て毎日新聞社入社。サンデー毎日、学芸部、政治部を経て事業部長。学芸部時代、吉川英治の最後の大作『私本太平記』の担当記者。晩年の巨匠吉川を敬慕し、文豪井上靖に私淑する。元昭和女子大学副学長。文学博士。主著に『弘法大師入定説話の研究』『日本のミイラ仏』『人間吉川英治』『人間復活』『教師よ、最高の芸術家よ』『天皇家の祖先・息長水依比売を追って』などがある。2018年11月没。
関連書籍
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書名 天皇家の祖先 息長水依比売を追って 概要 景行天皇から応仁、継体、天智、天武、そして今上天皇へ。大和民族の原型文化を始点に、天皇創始の道筋をたどる。 ジャンル 文芸・アート人文・社会 著者 松本 昭 ISBN 9784862042934 出版年月日 2017/08/30 本体価格 本体3,500円+税